口内炎は歯医者さんで治療してもらえるのか?

歯科の「守備範囲」とは

風邪をひいた時は内科に行き、手足の関節が痛い時は整形外科に行きます。虫歯で歯が痛い時は歯科に行きます。では口内炎ができた時、何科に行けばいいのでしょうか?
そういう場合も、歯科、歯科医院で相談してください。歯科は歯や歯周病だけでなく、お口の粘膜の疾患も歯科の守備範囲です。

口内炎の原因とは?

口内炎が起きる原因にはいくつかあります。

(1)誤って噛んだ
食事の際や寝ている間、会話している間など、舌や顔の筋肉を動かしている時、つい舌や唇を誤って噛んでしまい、口内炎が出来ることが一番多いです。

(2)やけどによるもの
揚げたてのフライなど、高温の食べ物を食べた時に、やけどを起こして口内炎ができます。

(3)矯正装置によるもの
矯正のブラケットやワイヤーにより、舌や頰の粘膜に接触し、口内炎ができやすいです。

(4)ウイルス感染によるもの
お口は外部と接触する機会の多い場所です。空気感染でウイルスなどが多量に入ってきます。そのうち、※1.コクサッキーウイルスによる口内炎があります。
また、体の免疫力が低下した際、体内にいたヘルペスウイルスが活性化して水疱ができ、それが破れて口内炎になります。

※1.「コクサッキーウイルス」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9

(5)梅毒によるもの
ここ数年で問題になっているのは、梅毒の患者さんが増えていることです。この梅毒は潜伏期を経て口内炎ができます。

口内炎の症状

口内炎の症状は様々あります。粘膜の表面を少し破ったような形になることが多いのですが、ヘルペスウイルスの場合はその前に水ぶくれ(水疱)が見られ、それが破けます。

口内炎の治療方法とは?

口内炎の治療法は、その原因によって変える必要があります。誤って噛んだり、やけどによるものの場合は、ステロイドが入った口内炎用の塗り薬を使います。※当院ではCO2レーザーを使用することもあります。ほとんど痛みを感じずに治癒を早めることができます。

一方、ウイルス感染によるものの場合は、ステロイドで局所の免疫が抑制されるといわれていますので、ステロイド軟膏を使ってはいけません。市販の口内炎用の薬もステロイドがなく、表面麻酔成分の入ったものを塗布します。

矯正装置の場合は、ブラケットを覆うようにワックス(ユーティリティーワックス)を盛り足します。指で簡単に変形できるワックスです。これは矯正治療を受けている歯科医院で相談し、もらってください。

梅毒によるものの場合は、梅毒の治療が必要です。歯科医師が色々試して治らない場合に内科に紹介し、治療は内科で行います。長期間かかりますが、しっかりと治療しておきましょう。