子供のときから受ける矯正治療:成人してから受ける矯正治療の違いとは?

最近、小児矯正という言葉をよくみかけるようになりました。成人の矯正と、小児の矯正にはどのような違いがあるのでしょうか?

小児矯正と成人矯正の違いについて
小児矯正と成人矯正は、患者さんの年齢や骨格の成熟度などの要因により、治療の経過や結果に影響を与える重要な要素がいくつかあります。

1)成長と発達の段階があること
成人では体の成長が完了しているため、歯を移動させることだけ、もしくは手術との併用を考えなければいけません。治療期間が長くなる傾向があります。しかし、小児矯正では、成長発育していることを考慮した治療を行います。成長期に歯列や顎の発育を調節しつつ、正しい噛み合わせを形成することができます。

2)治療期間と結果の予測
小児矯正では、成長期に治療することで、将来の歯並びや噛み合わせを予測したアプローチが可能です。

3)心理的な影響
小児矯正では、矯正治療を受ける同世代の子供たちも珍しくないため、お友達も受け入れてくれます。一方、成人矯正では、相手からの見え方、仕事への影響など、周囲からのプレッシャーや自己意識が影響します。

小児矯正と成人矯正の治療期間の違い

小児矯正と成人矯正では、治療期間においても重要な違いがあります。

1)小児矯正の治療期間
子供の矯正治療は、成長期に歯列や顎の発育を誘導し、適切な噛み合わせを形成することを目的としています。一般的に小児の歯や骨格は柔軟ですので、発育調節が可能なことが多く、治療期間は比較的短くて済むことがあります。

2)成人矯正の期間
成人矯正は、すでに骨格や歯並びが完了しているため、歯列を移動させるためには小児よりも強力な力が必要となります。そのため、一般的に成人矯正の治療期間は小児の場合に比べて長くなる傾向があります。

以上のように、子供の矯正と大人の矯正では、適切な治療期間を見極め、それぞれの特徴を考慮した治療計画が必要です。

子供と大人で矯正治療の痛みは違う?

小児と成人の矯正治療における痛みには、いくつかの違いがあります。

1)歯と骨格の成熟度の違い
小児の場合、歯や骨格がまだ成長発育しているため、矯正治療による痛みが比較的軽度なことが多いです。成長期の骨格は柔軟であり、歯を移動させる際の抵抗が少ないため、治療の痛みが少ない傾向があります。一方、成人の場合は、骨格や歯を移動させるのにより強力な力が必要となるため、治療による痛みがより強くなります。

2)痛みへの耐性の違い
小児の場合、矯正治療は新しい経験ですので、痛みに対する耐性が低いことがあります。しかし、治療の必要性や将来のきれいな歯並びに対する期待があるため、モチベーションを保つことができます。
一方、成人の場合は、痛みの耐性は小児よりありますが、仕事や生活スタイルなどからくるストレス要因が治療の痛みを増悪させることがあります。

小児と成人での治療費の違いについて

小児と成人では、治療費にも違いがあります。

1)治療期間の違いによるもの
子供の場合、骨格や歯がまだ成長発育しているため、矯正治療の期間が比較的短くて済むことがあります。そのため、子供の矯正治療の費用は、治療期間に応じてより安価に設定されています。一方、成人の場合は、歯を移動させることが難しく、より時間もかかるため、治療費は一般的に高くなる傾向があります。

2)矯正装置の違いによる費用
小児矯正では、一般的に取り外し可能な矯正装置やマルチブラケット装置が使用されることがあります。これらの装置は、患者さんの年齢や治療計画に応じて使用しますが、比較的費用が抑えられています。
一方、成人矯正では、より複雑な矯正装置や補助的な治療法が必要となる場合があります。そのため、より高額になりがちです。

3)保険診療の適用範囲の違い
一般に、小児矯正では保険の適用範囲が広く、保険診療でカバーされる場合があります。一方、成人矯正では、保険適用の範囲は限定的ですので、全額自由診療となる場合が多いです。

以上のように、子供と大人の矯正治療では、様々な違いがあります。
矯正治療をお考えの方は、一度、歯科医師にご相談ください。