産前から産後にかけての口腔ケア
2025/04/30
1、産前から産後の口腔ケアとは?
妊娠中から出産後にかけて、お母さんと赤ちゃんのお口の健康を守るためのケアはとても重要です。
妊娠中はホルモンバランスの変化や食生活の変化などにより、お口の中に様々なトラブルが起こりやすくなります。
また、赤ちゃんにとっても、お母さんのお口の状態は、将来の自分の歯の健康に大きく影響します。
そのため、産前・産後を通して、適切な口腔ケアを行うことが大切です。
2、妊娠中になりやすい口腔内の病気
妊娠中は、以下の様な口腔内の病気に掛かりやすくなります。
1)歯周病: ホルモンバランスの変化により、歯周病菌が増殖しやすくなり、歯周病が悪化したり、新たに歯周病になるリスクが高まります。
2)むし歯: つわりによる嘔吐で歯のエナメル質が溶けたり、唾液の分泌量が減ることで、むし歯になりやすくなります。
3)口内炎: 免疫力の低下や、栄養バランスの崩れにより、口内炎ができやすくなります。
また、妊娠期から以下の様な予防を行うことで、口腔内のトラブルを予防することができます。
4)歯科医院への定期的な通院: 妊娠前に歯科医院で検診を受け、歯石除去やクリーニングを行いましょう。妊娠中は、安定期に入ってから歯科医院を受診し、定期的な検診を受けることが大切です。
5)正しい歯磨き: 歯ブラシを正しい角度で当て、丁寧に時間をかけてゆっくりと歯磨きを行いましょう。歯間ブラシやデンタルフロスも活用し、歯と歯の間や歯と歯肉の境目をしっかり清掃しましょう。
6)食生活の改善: 糖質の多い食品や甘いものを控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。
7)口腔ケア製品の選択: 妊娠中は、刺激の少ない歯磨材やマウスウォッシュを選びましょう。
3、産後治療のポイント
出産後は、ホルモンバランスが再び変化したり、育児で忙しくなり、口腔ケアがおろそかになりがちです。そのため、以下の様な点に注意して、産後も口腔ケアを継続することが大切です。
1)早めの歯科医院への受診: 出産後、できるだけ早く歯科医院を受診し、口腔の状態をチェックしてもらいましょう。
2)歯科医院の雰囲気に慣れる:赤ちゃんに、歯科医院に早期から慣れておくことをねらいます。「歯科医院は口腔ケアによりお口がすっきりする、居心地のいい場所だ」という心理的ハードルを下げておきます。
3)家族の協力: パートナーや家族に協力してもらい、口腔ケアの時間を作ってもらいましょう。
まとめ
産前・産後を通して、口腔ケアをしっかりと行うことで、お母さんの健康を守り、赤ちゃんにも健康な歯をプレゼントすることができます。歯科医院での定期的な検診や、毎日の正しい歯磨きを習慣化することで、健康なお口を維持しましょう。