歯科医院の滅菌管理の重要性やリスクについて

滅菌・消毒の重要性について

 歯科医院は、日々多くの患者さんが訪れ、治療を受けています。歯科の治療は歯磨きの指導や歯石やプラーク除去をはじめ、虫歯を削って埋めることや、歯型をとって被せ物を入れたり、入れ歯を削ったりクッションをひいたり、抜歯まで行うなど、多岐に渡ります。これらの処置では、削る処置で削りかすが粉塵として舞ったり、注水下での作業では水が飛び跳ねてエアロゾルとなります。外科処置では唾液や血液がエアロゾルになり、他の患者にうつすリスクがあります。
唾液や血液には様々な感染症ウイルスが含まれる危険があります。中には、患者さん本人が気づいていない場合もあります。このように、歯科医院は院内感染への対策が求められます。その対策として、患者さんに使った器具の滅菌、診療室環境の消毒が必要です。

滅菌器とは?

滅菌とは、すべての細菌やウイルスを物理的もしくは化学的手段を用いて死滅させるか、完全に除去することと言います。似たような用語である消毒は、人体に有害な細菌やウイルスの感染性を物理的もしくは化学的手段を用いてなくすか、菌量を少なくすることを指します。
人間に直接触れる・口腔内に入れるような器具のうち、高温に耐えるものは滅菌処理が求められます。歯科医院には、最も安全で確実な滅菌方法として推奨されているオートクレーブがあります。滅菌器にはEUの定める基準(EN13060)があり、クラスBが最高で、S、Nと3段階あります。当院は院内感染対策としてクラスBの滅菌器を導入しています。

歯科医院の滅菌、衛生対策について

 器具の滅菌・消毒、患者さんの座ったチェアのアルコール拭きなど、歯科医院で扱う物品は多岐にわたり、それぞれに滅菌・消毒方法があります。このような問題に対して専門的知識を認定する資格がいくつかあります。
滅菌技師は日本医療機器学会が認定している制度で第1種と第2種があります。医療現場における滅菌保証のガイドラインの内容を理解した滅菌業務を推進します。
院内感染予防対策認定歯科衛生士は日本口腔感染症学会が認定している資格です、院内感染予防対策の意識向上と継続的な学習を目的に制定されました。安全で社会に信頼される歯科医療の提供に貢献し、同時に医療従事者の安全と健康に寄与することを目指します。
歯科医院ではこのように専門知識を習得して院内感染対策に日々取り組んでいます。