妊活中の口腔ケア、マタニティ歯科について

妊活中の口腔ケアとは

妊活中の方々は、今まで定期健診で歯科医院に通院していた時期よりも口腔ケアが重要になってきます。それはなぜでしょうか。その理由や、通院する際のポイントをお話しします。

歯科検診や虫歯治療が妊活中に必要な理由について

妊活をしている方は、体内のホルモンバランスの変化が大きい時期になります。お口の中は、ホルモンバランスによって影響を受けやすいエリアです。
ホルモンの量が減少すると、唾液の分泌量が変化します。唾液は、お口の中ではとても重要な役割をしていて、まずお口の中のプラークや食べかすを洗い流す作用があります。また唾液の中に含まれるIgAという免疫物質がお口の中の細菌を攻撃して炎症を起こすリスクを減らします。この唾液が減ることで、お口の中の細菌が増殖し、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

妊活中の人が歯科医院へ通うときのポイント

まず、妊婦健診の制度がある市町村は、必ず受けましょう。歯科健診もあります。

次に、妊娠の時期によっては、抗菌薬や痛み止めなどが使いにくい時期があります。時に0―15週の間は薬剤によって催奇形が問題になる時期です。この時期はお子さんの主な身体構造を形成する大切な時期ですので、妊婦への投薬は慎重に判断する必要があります。
このことから、妊活中の方はもしこの0―15週にかかる可能性があれば、歯科医師・歯科衛生士に伝えておく必要があります。抗菌薬や鎮痛剤を使わない歯科治療(被せ物や詰め物の治療、歯石除去など)はいつでも可能ですが、歯肉炎、親知らずの炎症などを起こさないよう、こまめなケアが必要です。
次に、妊活中には産婦人科に通院することになると思います。かかりつけの産婦人科についても歯科医師・歯科衛生士に伝えておく必要があります。妊娠のステージについての確認を産婦人科医師、歯科医師の間でやりとりすることが出てくる可能性があるためです。

生まれてくる子供の虫歯予防のために、まず親の虫歯菌を減らす

生まれてくるお子さんのお口の中の細菌は、空気感染よりも親から子への感染によるものが多いです。お子さんにキスをしたり、食べ物を分け与えたりすることで、親御さんのお口の中の細菌がお子さんに感染することが多いと言われています。
となると、このリスクを減らすためには、親御さんのお口の中をきれいに保つことが必要です。
歯周病の治療や、虫歯の治療も、治療期間は人それぞれです。できるうちから必要な治療は受けて、万全の準備をしておきましょう。